トラップの特徴と歴史【音楽ジャンル辞典㊱】

トラップの特徴と歴史 楽曲・ジャンル辞典
トラップの特徴と歴史【音楽ジャンル辞典㊱】
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トラップの特徴と歴史【音楽ジャンル辞典㊱】

今回は、トラップについて音楽的特徴や歴史をわかりやすく解説していきます。

トラップは、アメリカの南部、特にアトランタで発展したヒップホップのサブジャンルであり、暴力や犯罪、ストリートライフに焦点を当てた音楽です。特徴的な要素には、重厚な808ベース、硬質なドラム、ダークなメロディーが含まれます。トラップの歌詞は、しばしばギャングスタライフ、麻薬取引、貧困などのテーマを取り上げています。

関連記事:ヒップホップの音楽的特徴と歴史【音楽ジャンル辞典⑪】

トラップの音楽的特徴

トラップの音楽的特徴は多岐にわたりますが、代表的なものをいくつか挙げるとすれば、以下のような要素があります。

  1. 808ベース: トラップの楽曲では、低音の強調されたドラムマシンの音が特徴的です。特に、ローパスフィルターをかけた808ベースがよく使われます。これによって、重厚でパワフルなベースラインが生み出されます。
  2. トラップハイハット: トラップの楽曲では、速いテンポでリズムを刻むハイハットが特徴的です。これらのハイハットはしばしばトリプレットのリズムで演奏され、独特のグルーヴ感を生み出します。
  3. シンセサイザーのトラップメロディー: トラップの楽曲では、シンセサイザーやキーボードを用いて、エモーショナルなメロディーやフックが頻繁に使用されます。これらのメロディーは、楽曲全体の雰囲気や感情を表現するために重要な役割を果たします。
  4. ヴォーカルサンプルとエフェクト: トラップの楽曲では、ヴォーカルサンプルやサンプリングされた音声が頻繁に使用されます。これらのヴォーカルは、楽曲に深みや表現力を与えるだけでなく、時にはリフレインやフックとしても機能します。
  5. ダブルタイム: 一般的に、トラップの楽曲では、四つ打ちのビートが主流ですが、ダブルタイムのビートが使用されることもあります。これによって、よりエネルギッシュでアグレッシブなリズムが生まれます。

これらの要素が組み合わさり、トラップの独特のサウンドが生み出されます。

トラップで使われている音色

トラップの楽曲でよく使われる音色にはいくつかの特徴があります。

  1. 808ベース: トラップの代表的な音色の一つであり、低周波数の強調されたベースが特徴です。この音色は通常、808ドラムマシンからサンプリングされた音源を使用して生成されます。
  2. ブラス・サウンド: トラップの楽曲では、ブラス楽器(トランペット、トロンボーン、サックスなど)のサンプリングされた音源がよく使用されます。これらのサウンドは、楽曲にエネルギーと豪華さを与えるために使われます。
  3. ハイハット: トラップの楽曲では、速いテンポで刻まれるハイハットが特徴的です。これらのハイハットはしばしばトリプレットのリズムで演奏され、曲に独特のグルーヴ感をもたらします。
  4. シンセサイザー: トラップの楽曲では、シンセサイザーが幅広く使用されます。特に、鋭いエッジの効いたシンセリードやダークなパッドがよく使われ、メロディーやアンビエントな要素を追加します。
  5. ヴォーカルサンプル: トラップの楽曲では、ヴォーカルサンプルが頻繁に使用されます。これらのサンプルは、リフレイン、フック、またはエフェクトとして使われ、楽曲に深みや感情を与える役割を果たします。

これらの音色は、トラップのサウンドを特徴づける重要な要素であり、その組み合わせ方によって異なるスタイルや雰囲気が生まれます。

トラップの歴史

トラップの歴史は、1990年代後半から始まりますが、その起源はアトランタのアンダーグラウンドヒップホップシーンにさかのぼります。

  • 1990年代後半: トラップの起源は、アトランタの貧困地区やギャングの文化に根ざしたアンダーグラウンドヒップホップシーンにあります。この時期には、トラップミュージックと呼ばれるダークで硬質なヒップホップのスタイルが生まれました。
  • 2000年代初頭: トラップのサウンドが次第に確立し、地元のアーティストやプロデューサーたちによって広められました。そのサウンドは、特徴的な808ベース、硬質なドラム、ダークなメロディーなどが特徴的でした。
  • 2010年代: トラップのサウンドがメインストリームに進出し、全国的な人気を獲得しました。この時期には、エレクトロニックダンスミュージック(EDM)の影響もあり、トラップのサウンドが多様化しました。
  • EDMとの融合: 2010年代には、トラップのサウンドがエレクトロニックミュージックと融合し、新たなジャンルが生まれました。特に、トラップとダブステップの要素を組み合わせたトラップステップが注目されました。
  • 現在: トラップは現在も音楽シーンで非常に人気があり、アーティストやプロデューサーによって新しいスタイルやアプローチが常に試みられています。また、トラップのサウンドは他のジャンルにも影響を与え続けています。

トラップの歴史は、その深いルーツと多様な進化によって特徴付けられています。今日では、トラップはヒップホップとエレクトロニックミュージックの両方の要素を取り入れた、広範なジャンルとして位置づけられています。

トラップで有名なアーティスト

トラップの世界には多くの有名なアーティストがいますが、その中でも特に著名な人物をいくつか挙げるとすれば、以下のようなアーティストがいます。

  • T.I.: 本名はクリフォード・ジョセフ・ハリス・ジュニアで、アトランタのトラップミュージックシーンで台頭したラッパーです。彼のアルバム「Trap Muzik」は、トラップのジャンルを広める上で重要な役割を果たしました。
  • Young Jeezy: 本名はジェイミー・テレル・ジェンキンスで、アトランタのトラップミュージックシーンで活躍するラッパーです。彼のアルバム「Let’s Get It: Thug Motivation 101」は、トラップのジャンルを全国的に認知させるのに貢献しました。
  • Gucci Mane: 本名はラドリック・デビスで、アトランタのトラップシーンで高い影響力を持つラッパー/プロデューサーです。彼の音楽キャリアは、トラップのジャンルの成長と発展において重要な役割を果たしています。
  • Future: 本名はナヴィディウス・ウィルバーンで、アトランタのトラップミュージックシーンで成功を収めたラッパー/シンガーです。彼の独特のスタイルとメロディアスなフローは、トラップのジャンルに新しい方向性をもたらしました。
  • Migos: クオヴォ、オフセット、テイクオフから成るアメリカのヒップホップトリオで、トラップミュージックの代表的なアーティストの一つです。彼らのヒット曲「Bad and Boujee」は、トラップのジャンルを全国的に認知させるのに大きく貢献しました。

これらのアーティストは、トラップミュージックのジャンルの成長と普及において重要な役割を果たし、そのサウンドとスタイルを世界中に広めました。

トラップの名曲

トラップの名曲は数多くありますが、その中でも特に代表的な曲をいくつか挙げるとすれば、以下のような曲があります。

  • T.I. – “Rubber Band Man”: T.I.の代表曲の一つであり、トラップミュージックのクラシックとして知られています。重厚なビートとT.I.のライムが相まって、トラップの象徴的な楽曲となっています。
  • Young Jeezy – “Trap or Die”: Young Jeezyの楽曲で、彼のキャリアを代表するトラップアンセムの一つです。この曲は、トラップミュージックのルーツとアンセムを象徴するものとして高く評価されています。
  • Gucci Mane – “Lemonade”: Gucci Maneの代表曲であり、彼のトラップキングとしての地位を確立した曲の一つです。中毒性のあるビートとキャッチーなフックが特徴的で、トラップミュージックのクラシックとなっています。
  • Future – “Mask Off”: Futureの代表曲であり、トラップミュージックのヒット曲の一つです。この曲は、フルートのサンプルを使った独特のメロディと、Futureの特徴的なラップスタイルが相まって、大きな成功を収めました。
  • Migos – “Bad and Boujee”: Migosの代表曲であり、トラップミュージックのメインストリームへの進出を象徴する曲として注目されました。この曲は、そのキャッチーなフックと独特のリズムが特徴的であり、トラップシーンで大きな影響を与えました。

これらの曲は、トラップミュージックの歴史や文化を代表するものであり、そのサウンドやスタイルに多大な影響を与えています。

トラップからの派生ジャンル

トラップから派生したさまざまなジャンルが存在します。その中でも特に注目されるいくつかの派生ジャンルを以下に挙げます。

  • トラップステップ (Trapstep): トラップとダブステップの要素を組み合わせたジャンルであり、重厚な808ベースと振動するシンセサイザーが特徴です。このジャンルは、エレクトロニックダンスミュージック(EDM)の一部として大きな人気を博しています。
  • トラップハウス (Trap House): トラップとハウスミュージックの要素を組み合わせたジャンルであり、トラップのビートとシンセサイザーが、ハウスミュージックのメロディーやリズムと融合されます。
  • トラップソウル (Trap Soul): トラップとR&Bやソウルミュージックの要素を組み合わせたジャンルであり、メロディアスなトラップビートと感情的なヴォーカルが特徴です。このジャンルは、特にブラックミュージックのファンに人気があります。
  • トラップメタル (Trap Metal): トラップとヘビーメタルの要素を組み合わせたジャンルであり、ダークで重いトラップビートとデスメタルやハードコアパンクの影響を受けたボーカルが特徴です。このジャンルは、エモーショナルで攻撃的なサウンドが特徴です。

これらのジャンルは、トラップの基本的な要素を受け継ぎながらも、異なる音楽性やスタイルを持っています。それぞれのジャンルは、トラップのルーツと進化を反映しており、多様な音楽ファンに愛されています。

 

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