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エレキギターの特徴と演奏法【楽器学⑦】

エレキギターの音楽的特徴と演奏法 楽器辞典
エレキギターの音楽的特徴と演奏法【楽器学⑦】
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エレキギターの音楽的特徴と演奏法【楽器学⑦】

今回は、についての特徴と楽曲での役割についてわかりやすく解説していきます。

エレキギターは、電気信号を使って音を発生させる楽器で、主にロックブルースジャズメタルなどのポピュラー音楽で使用されます。通常、木製のボディに取り付けられたピックアップが弦の振動を検知し、その信号をアンプを通じて増幅して音を出します。

ピックアップやエフェクトペダルなどのアクセサリーを使って、さまざまな音響効果を加えることができます。エレキギターは、リードギター、リズムギター、ソロギターなど、多彩な役割を果たし、豊かな音楽表現が可能です。

関連記事:鍵盤楽器の種類と音楽的な役割【楽器学⑥】

エレキギターの音楽的特徴

エレキギターの音楽的特徴は、その高い音量と豊かな音色が挙げられます。エレキギターは歪んだサウンドを生み出すことができ、ロックやブルースなどのジャンルでよく使われます。また、エフェクトペダルやアンプの利用により、多彩な音響効果を実現できます。

代表的な奏法

エレキギターの奏法は多岐にわたりますが、一般的なものをいくつか挙げると、次のようなものがあります。

ピッキング:ピックを使って弦を弾く演奏方法です。指で弾くよりも明瞭な音を出すことができます。
バリング:指の腹や爪を使って弦を弾く演奏方法です。アコースティックギターの奏法に近いですが、エレキギターでも使われます。
フィンガリング:指で弦を押さえて音を出す演奏方法です。和音やメロディーを演奏する際に使われます。
ベンディング:弦を押さえたまま、指で弦を曲げて音程を変化させる技法です。エレキギター特有の表現手法です。
スライド:指やバーを使って弦を滑らせながら音を出す演奏方法です。ブルースやカントリー音楽でよく使われます。
ハンマリングオン/プルオフ:指で押さえたまま別の指で弦を叩く(ハンマリングオン)または、指で押さえた状態から指を離して音を出す(プルオフ)技法です。速いフレーズやリフで使われます。
タッピング:指で弦を叩く技法で、両手を使って音を出します。エディ・ヴァン・ヘイレンなどのギタリストが有名です。
ピンチハーモニクス:ピックの先端や指の腹で弦を弾く際に、同時に指で弦を触れてハーモニクスを生み出す技法です。特有のハイピッチの音を出します。
ダイブボム:トレモロアームやワムミーバーを使って弦の張りを変え、音程を急激に下げる技法です。主にリードギターソロで効果的に使われます。

これらの演奏法を組み合わせることで、多彩な表現が可能になります。また、エフェクトペダルやアンプの設定を変えることで、さらに幅広い音響効果を得ることができます。

楽曲での役割

エレキギターの楽曲での役割は主に以下の5つです。

1.リードギター

メロディーやソロパートを担当し、楽曲の中で際立ったフレーズやリフを演奏します。しばしば耳に残るフレーズや印象的なソロが特徴です。

2.リズムギター

コード進行やリズムパターンを担当し、楽曲のリズムとハーモニーを支えます。強力なリズムセクションを構築し、曲全体のグルーヴを形成します。

3.テクスチャーギター

エフェクトや奏法を駆使して、楽曲に深みや独特の雰囲気を与える役割を果たします。フィードバックやディレイ、リバーブなどのエフェクトを活用し、音楽に空間感や表情を与えます。

4.ソロギター

他の楽器が休止する間に、ソロパートを演奏することがあります。このときは、リードギターの役割として、メロディーやフレーズの表現力が要求されます。

5.インタープレイ

他の楽器との対話や相互作用を通じて、楽曲の展開やダイナミクスを豊かにします。ギターとベース、ギターとキーボード、またはギター同士が相互に反応しながら、音楽的な対話を展開することがあります。

これらの役割を上手に組み合わせることで、エレキギターは楽曲に深みや表現力を与え、聴衆に強烈な印象を残します。

エレキギターがメインで使われているジャンル

エレキギターはさまざまな音楽ジャンルで主要な役割を果たしていますが、特に以下のジャンルでメインとして使われることが多いです。

  1. ロック: エレキギターはロック音楽の象徴的な楽器であり、様々なサブジャンルで使われます。ハードロック、ヘヴィメタル、パンクロック、オルタナティブロックなど、幅広いスタイルのロック音楽でエレキギターが中心的な役割を果たしています。
  2. ブルース: エレキギターはブルース音楽の基本的な要素であり、感情豊かなフレーズやリフを演奏するために使われます。ブルースロックもエレキギターが重要な役割を果たしています。
  3. メタル: ヘヴィメタルやその他のメタルサブジャンルでは、エレキギターが非常に重要な役割を果たしています。高い音量と歪んだサウンドは、メタル音楽の特徴として知られています。
  4. ジャズロック: ジャズとロックを融合させたジャズロックでは、エレキギターが洗練されたフレーズや複雑なソロを演奏するために使われます。
  5. ファンク: ファンク音楽では、リズムギターとしてエレキギターが頻繁に使われ、グルーヴ感や踊りやすさを演出します。

これらのジャンルでは、エレキギターが主要な楽器として活躍し、その特徴的なサウンドで音楽に深みや表現力を与えています。

エレキギターの歴史

エレキギターの歴史は19世紀後半に遡りますが、現代のエレキギターの原型が確立されたのは20世紀初頭から中盤にかけてのことです。

1.初期の実験

19世紀後半から20世紀初頭にかけて、電気信号を使った楽器の開発が始まりました。

これには、電気を使ったヴァイオリンやギターの試作品も含まれていましたが、これらはまだ実用的なものではありませんでした。

2.ラップスティールギター

1920年代から1930年代にかけて、ハワイアン音楽やカントリーミュージックでラップスティールギターと呼ばれる電気的なギターが登場しました。

これは、鋼鉄製のバーで弦を押さえて演奏するスライドギターの一種で、電気的なピックアップを搭載していました。

3.エレクトリック・ギターの登場

1930年代後半から1940年代にかけて、レスポールやリッケンバッカー、フェンダーなどの楽器メーカーが本格的なエレクトリック・ギターを開発しました。

これらの楽器は木製のボディにピックアップを取り付け、アンプを介して電気信号を増幅することで、大きな音量や歪みを得ることができました。

4.ポピュラリティの拡大

1950年代には、ロックンロールやブルースなどの音楽ジャンルの台頭とともに、エレキギターのポピュラリティが急速に拡大しました。

特に、レスポールやストラトキャスターなどのモデルが人気を博しました。

5.進化と多様

以降、エレキギターは技術的な進化を遂げ、さまざまな派生形が生まれました。エフェクトペダルやワムミーバーなどのアクセサリーの登場や、様々なジャンルへの適用など、エレキギターは音楽の発展に大きく寄与してきました。

現代のエレキギターは、その豊かな音色と表現力で様々な音楽シーンで重要な役割を果たしています。

エレキギターのトッププレイヤー

エレキギターで有名なアーティストは数多くいますが、その中でも特に著名ないくつかを挙げます。

  • ジミ・ヘンドリックス: 60年代のロック界に革命をもたらしたギタリストで、彼の技術と革新的なアプローチは今日でも多くのギタリストに影響を与えています。
  • エリック・クラプトン: ブルース、ロック、そしてクラプトン自身のソロキャリアにおいて、多くの時代を超えて愛される名ギタリストです。
  • ジミー・ペイジ: レッド・ツェッペリンのギタリストとして知られ、その重厚なリフと独特のギターサウンドで多くのファンを魅了しました。
  • エディ・ヴァン・ヘイレン: ヴァン・ヘイレンのリードギタリストとして、その高速でテクニカルな演奏とユニークな奏法で世界的な名声を得ました。
  • スティーヴィー・レイ・ヴォーン: テキサスブルースの伝説的なギタリストであり、その独特のトーンと情熱的なプレイスタイルで多くのファンを魅了しました。
  • デヴィッド・ギルモア: ピンク・フロイドのギタリストとして知られ、その豊かな音色とエモーショナルな演奏で数々の名曲を生み出しました。

これらのアーティストは、エレキギターの歴史と音楽シーンにおいて重要な役割を果たし、多くのギタリストや音楽ファンにとってのアイコンとなっています。

エレキギターの名曲

  • “Stairway to Heaven” by Led Zeppelin: ジミー・ペイジによるエレキギターソロが特に有名です。
  • “Purple Haze” by The Jimi Hendrix Experience: ジミ・ヘンドリックスのエレキギターによる独特のサウンドが際立つ曲です。
  • “Sweet Child o’ Mine” by Guns N’ Roses: スラッシュによるアイコニックなイントロとソロが特徴的な曲です。
  • “Hotel California” by Eagles: ドニー・ヘンリーとジョー・ウォルシュによるエレキギターソロが印象的な名曲です。
  • “Comfortably Numb” by Pink Floyd: デヴィッド・ギルモアによる壮大なエレキギターソロが印象深い曲です。
  • “Enter Sandman” by Metallica: カーク・ハメットとジェイムズ・ヘットフィールドによるエレキギターリフが特徴的なヘヴィメタルの名曲です。

これらの曲は、エレキギターが突出した役割を果たしており、そのサウンドや演奏が多くの人々に愛されています。

エレキギターの種類

  • ストラトキャスター(Stratocaster): フェンダー社が製造する、最も有名なエレキギターの一つです。ダブルカッタウェイのボディ形状や、3つのシングルコイルピックアップ、トレモロブリッジが特徴です。
  • テレキャスター(Telecaster): フェンダー社が製造する、もう一つの有名なエレキギターです。シンプルでクリアなトーンと耐久性が特徴で、特にカントリーミュージックやロックンロールで広く使用されています。
  • レスポール(Les Paul): ギブソン社が製造する、重厚でパワフルなサウンドが特徴のエレキギターです。マホガニー製のボディとハムバッキングピックアップが特徴で、ロックやブルースなどのジャンルで人気があります。
  • SG: ギブソン社が製造する、レスポールよりも軽量なボディを持つエレキギターです。ロックやハードロックなどのジャンルでよく使用されます。
  • エクスプローラー(Explorer): ギブソン社が製造する、先鋭的なデザインのエレキギターです。ハードロックやメタルなどのジャンルで使用されます。
  • フライングV(Flying V): ギブソン社が製造する、V字形状の特徴的なデザインを持つエレキギターです。ロックやメタルなどのジャンルで愛されています。

これらは代表的なエレキギターの種類ですが、他にも様々なメーカーやモデルが存在します。また、カスタムメイドやビンテージモデルなど、さらに多くのバリエーションがあります。

エレキギターの有名なメーカー

エレキギターの有名なメーカーには、以下のようなものがあります。

  • フェンダー(Fender): ストラトキャスターやテレキャスターなどのアイコニックなモデルを生み出したアメリカの楽器メーカーです。
  • ギブソン(Gibson): レスポールやSGなどのクラシックなモデルを製造するアメリカの楽器メーカーで、ロックやブルースなどのジャンルで広く使用されています。
  • PRS(Paul Reed Smith): ポール・リード・スミスによって設立されたアメリカの楽器メーカーで、高品質なエレキギターを製造しています。
  • Ibanez: 日本の楽器メーカーで、ロックやメタルなどのジャンルで人気の高いエレキギターを製造しています。
  • ESP: 日本の楽器メーカーで、メタルやハードロックなどのジャンルで広く使用されるエレキギターを製造しています。
  • Jackson: メタルやハードロックのギタリストに人気のあるアメリカの楽器メーカーで、ハイパフォーマンスなエレキギターを提供しています。

これらのメーカーは、高品質なエレキギターを製造しており、世界中のプロフェッショナルやアマチュアのギタリストに愛用されています。

関連記事:『楽器分類学』【楽器学①】

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