EDM(エレクトロダンスミュージック)の音楽的特徴と歴史【音楽ジャンル辞典㉓】

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EDM(エレクトロダンスミュージック)の特徴と歴史【音楽ジャンル辞典㉓】

今回は、EDM(エレクトロダンスミュージック)についての音楽的特徴や歴史を解説します。

EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)は、電子楽器やコンピューターを使用して制作され、ダンスフロアやクラブでの踊りやすさを重視した音楽ジャンルです。

特徴的な要素としては、打ち込みされたビート、重厚なベースライン、洗練されたシンセサイザーのメロディ、そしてボーカルサンプリングなどがあります。

EDMは、トランス、ハウス、ダブステップ、トラップなどの様々なサブジャンルを含み、世界中の多くの人々に愛されています。

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EDMの音楽的特徴

EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)の音楽的特徴は多岐にわたりますが、一般的な特徴をいくつか挙げると以下のようになります。

  1. 強力なビートとリズム: EDMの曲は、強力で明確な4/4拍子のリズムやビートが特徴です。これにより、ダンスフロアでのリズミカルな動きを促します。
  2. 多様なサウンド: EDMは多種多様なサウンドやジャンルを取り入れることができます。エレクトロニックミュージックのサブジャンルであるテクノ、ハウス、トランス、ダブステップなどの要素が頻繁に組み合わされます。
  3. ビルドアップとドロップ: EDMの曲はしばしばビルドアップと呼ばれる緊張感の高まるパートがあり、その後に一気に盛り上がるドロップが続きます。これにより、曲のエネルギーが高まり、ダンスフロアの興奮が増します。
  4. メロディックな要素: EDMの曲にはメロディックな要素が豊富に含まれます。シンセサイザーやシーケンサーを使った派手なメロディや、感情的なボーカルがよく取り入れられます。
  5. ダンスフロア向けの構造: EDMの曲は、ダンスフロアでの使用を意識して構成されています。イントロ、ビルドアップ、ドロップ、ブレイクダウン、アウトロなどのセクションが明確に区別され、ダンスパーティーでの流れをスムーズにします。

これらの特徴により、EDMは世界中のクラブやフェスティバルで広く愛され、ダンスミュージックの中でも特に人気があります。

EDMで使われている楽器

EDMの演奏スタイルは、一般的にはプロデューサーやDJが曲を制作し、ライブパフォーマンスやクラブでのDJセットで演奏されることが多いです。具体的な演奏スタイルは以下のような特徴があります。

  1. DJセット: EDMアーティストやプロデューサーは、クラブやフェスティバルでのDJセットで演奏します。彼らは、複数の曲をミックスし、シームレスなトランジションを作り出すために、ターンテーブルやDJミキサー、コントローラーなどを使用します。
  2. ライブパフォーマンス: 一部のEDMアーティストは、ライブパフォーマンスで演奏することもあります。これには、シンセサイザーやドラムマシン、サンプラーなどの電子楽器を使用して、リアルタイムで音楽を演奏するスタイルが含まれます。
  3. ライブエレクトロニクス: 一部のEDMアーティストは、ライブセットでパフォーマンスする際に、エレクトロニック楽器やコントローラーを使用してリアルタイムで音楽を演奏します。これにより、よりインタラクティブでダイナミックなパフォーマンスが実現されます。
  4. ビジュアルとの組み合わせ: ライブパフォーマンスやDJセットでは、ビジュアルエフェクトやライティングなどの視覚的な要素も重要な役割を果たします。LEDスクリーン、光のショー、プロジェクションマッピングなどが使用され、音楽と視覚的なエクスペリエンスが組み合わされます。

これらの演奏スタイルは、EDMの人気や魅力を高め、ライブイベントやクラブでのパフォーマンスを盛り上げます。

EDMの歴史

EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)は、1970年代後半から1980年代初頭にかけてアメリカ合衆国の都市部で形成され、その起源はディスコ音楽やエレクトロニック・ミュージックの影響を受けています。以下に、主要な時代や出来事をいくつか挙げます。

  1. 1970年代後半 – 1980年代初頭: ハウスミュージックとテクノミュージックがアメリカの都市部、特にシカゴやデトロイトで誕生しました。ディスコの衰退後、新しいエレクトロニックなサウンドがクラブシーンで人気を集めました。
  2. 1980年代 – 1990年代: ハウスミュージックやテクノミュージックはヨーロッパでも爆発的な人気を獲得し、イギリスのレイヴ文化やアンダーグラウンド・クラブシーンで発展しました。また、シンセサイザーやドラムマシンの技術革新により、より多彩なサウンドが生み出されました。
  3. 2000年代: インターネットの普及により、音楽のデジタル配信やネットワーク化が進み、EDMの普及に大きな影響を与えました。また、EDMフェスティバルやライブイベントが増加し、EDMは世界中で大規模な人気を獲得しました。
  4. 2010年代以降: EDMはメインストリームの一部となり、トップ40チャートでの成功や大規模なスタジアムやフェスティバルでのライブイベントが増加しました。また、アーティストやプロデューサーがEDMの影響を受けたポップミュージックを制作することも一般的になりました。

これらの時代を通じて、EDMはさまざまなサブジャンルやスタイルに発展し、常に新しいサウンドやテクノロジーを取り入れながら進化してきました。

有名なアーティスト

EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)で有名なアーティストは数多くいますが、その中でも特に知られるいくつかのアーティストを以下に挙げます。

  1. Calvin Harris: スコットランド出身のDJ兼プロデューサーであり、世界的なヒット曲や大ヒットアルバムを多数リリースしています。
  2. David Guetta: フランス出身のDJであり、ポップミュージックとのコラボレーションや大規模なフェスティバルでのヘッドライナーとして知られています。
  3. Tiësto: オランダ出身のDJであり、トランスミュージックの先駆者の一人として知られ、EDMのパイオニアの一人としても評価されています。
  4. Avicii: スウェーデン出身のDJ・プロデューサーであり、彼の楽曲「Wake Me Up」「Levels」などが世界的なヒット曲となりました。
  5. Martin Garrix: オランダ出身の若手DJ・プロデューサーであり、彼の楽曲「Animals」は特に注目を集めました。
  6. Skrillex: アメリカ出身のプロデューサー・DJであり、ダブステップやエレクトロの分野で大きな影響力を持つ存在です。
  7. Deadmau5: カナダ出身のプロデューサー・DJであり、独自の音楽スタイルやデッドマウスのマスクで知られています。
  8. Zedd: ロシア出身のドイツ育ちのDJ・プロデューサーであり、ポップミュージックとのコラボレーションやエレクトロニックポップの分野で活躍しています。

これらのアーティストは、EDMの世界で大きな影響力を持ち、多くのファンを魅了しています。

EDMの名曲

以下は、いくつかの代表的なEDMの名曲について、より詳細な情報です。

  1. Avicii – “Levels”: この曲は2011年にリリースされ、Aviciiの代表曲として知られています。特徴的なメロディやビート、そしてサンプリングされたエッタ・ジェイムズのヴォーカルが印象的です。”Levels”はEDMの黄金時代を象徴する曲の一つとして多くの人々に愛されています。
  2. Calvin Harris – “Summer”: “Summer”はCalvin Harrisの2014年のヒット曲であり、彼のアルバム『Motion』に収録されています。この曲は、明るく爽やかなメロディやキャッチーなリフレイン、そしてポジティブなエネルギーが特徴であり、夏のイベントやフェスティバルでよく聴かれます。
  3. David Guetta feat. Sia – “Titanium”: この曲は2011年にリリースされ、David Guettaとシーアによるコラボレーションとして知られています。”Titanium”は力強いボーカルとエレクトロニックなビートが特徴であり、ポップとEDMの要素が巧みに融合されています。
  4. Swedish House Mafia – “Don’t You Worry Child”: この曲は2012年にリリースされ、Swedish House Mafiaの最後のシングルとして知られています。メロディックな要素とエモーショナルな歌詞が特徴であり、ライブイベントやフェスティバルでの感動的な演奏が多くのファンに記憶されています。
  5. Zedd feat. Foxes – “Clarity”: “Clarity”は2012年にリリースされ、Zeddの代表曲の一つとして知られています。キャッチーなメロディや感情的な歌詞、そしてエレクトロニックなサウンドが特徴であり、多くの人々に感動を与えました。

これらの曲は、EDMのジャンルにおいて特に影響力があり、多くのリスナーに愛されています。

EDMからの派生ジャンル

EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)は、さまざまな派生ジャンルを生み出しました。その中には以下のようなものがあります:

  1. トランス: エレクトロニック・ダンス・ミュージックの一形態であり、浮遊感やエモーショナルなメロディ、そして複雑な構造を持つことが特徴です。代表的なサブジャンルには、プログレッシブ・トランス、アップリフティング・トランス、そしてサイエンス・トランスなどがあります。
  2. ダブステップ: 低音の強調や独特のリズムが特徴であり、ベースミュージックのサブジャンルとして誕生しました。ダブステップはしばしばビッグドロップやワブリングベースといった特徴的な要素を持ちます。
  3. ハウス: ダンスミュージックの古典的なスタイルであり、4つ打ちのリズムやシンプルなベースライン、そしてソウルフルなヴォーカルが特徴です。ディープハウス、テックハウス、フューチャーハウスなどのサブジャンルがあります。
  4. ドラムンベース: ブレイクビートに焦点を当てたジャンルであり、高速のドラムパターンや強調されたベースラインが特徴です。ジャングルミュージックとして始まり、後にドラムンベースとして発展しました。
  5. トラップ: 単調なビートや強調された808ベース、そしてシンプルなシンセサイザーのメロディが特徴であり、ヒップホップの影響を受けたスタイルです。
  6. ハードスタイル: 速いテンポと激しいベースラインが特徴であり、ハードコアやテクノの影響を受けたジャンルです。

これらは一部のEDMの派生ジャンルであり、多くのアーティストやファンがさまざまなスタイルを楽しんでいます。

 

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