言葉の響き【作詞講座②】
どうも! H-Kuです。
今回は作詞にとっーて、とーっても大事なお話(笑)
「言葉の音としての響き」について。
「作詞」はただ文字数を合わせればいいというものではもちろんなく、「音楽」の一要素として捉える必要があります。
言葉一つ、単語1つの響きが違えば、聴こえ方も大きく異なってくるからです。
たとえば、
- 「唐揚げ 食べたい~♪」と、
- 「チキンが 食べたい~♪」では(笑)、
同じ意味と文字数ですが「唐揚げ」の方は「あ」の母音で始まるのでパワフルで勢いがあり、「あ、めっちゃ食べたいんだなぁ」って感じがするけど、「チキンが」だと「唐揚げ」ほど勢いはそこまで感じられず、「あ、チキンが好きなんだなぁ」って感じがすると思います(※個人的な感想です)。
さて、具体的な言葉の響き、文字の響きを見ていきましょう!
- 【母音の響き】
- 『ア段』
- 『イ段』
- 『ウ段』
- 『エ段』
- 『オ段』
- 【アクセントになりやすい音】
- ①濁音(ガ、ザ、ダ、バ行)
- ②鼻濁音(ガ行)
- ③破裂音(カ・タ・ガ・ダ・バ・パ行+促音「ッ」)
- ④半濁音(パ行)
- ⑤撥音(ン)
- 【その他、作詞で気をつけたい言葉の響き】
- ■(ナ、マ、ヤ行)
- ■(サ・ハ行)
- ■拗音(キャ、キュ、キョ、シャ、シュ、ショ)
- ☆主に言葉の響きを気をつけるポイントは主に以下の5点。
【母音の響き】
『ア段』
例:「明日、赤い、あの頃、誰、ダンス、雨、花、愛、桜、、、など」
- パワフルに発声でき、歌いやすい。
- 厚みのあるとても明るい響き。
- ポップスのサビ頭でよく使われている。
『イ段』
例:「君、奇跡、未来、ひとり、季節、彩り、日々、道、虹、、、など」
- 明るく爽やか。
- 音抜けが良く、強く聴こえやすい。
- 「ア段」に次いでサビ頭でよく使われている。
- 高音は歌いづらい(力みやすい)。
- ー(伸ばし棒)との相性がよい。
『ウ段』
例:「夢、勇気、ずっと、運命、暗闇、嘘、歌、船、宇宙、Goodbye、、、など」
- 母音の中では最も暗く、また母音の中では最も柔らかい。
- 勢いをつけづらい、サビ頭には少々不向き(あえて使ってマイルドな始め方をするやり方もある)。
『エ段』
例:「笑顔、出会い、景色、絵、背伸び、目、選ぶ、天、世界、、、など」
- 口を大きく開けるので歌いやすい。
- 少々詰まる感じ。疾走感は出しにくい。
- ロングトーンがとても歌いやすく、語頭より語尾でサビ終わりに使われることが多い。
『オ段』
例:「空、星、こころ、届かない、孤独、燃える、男と女、大きな、Wow」
- 「ア段」と比べると、ちょっと暗めで哀愁ある響き。
- 厚みのある強めの音を出しやすく、「ア段」「イ段」と同様にサビで使いやすい。
【アクセントになりやすい音】
①濁音(ガ、ザ、ダ、バ行)
例:「ダンス、元気、さざ波、鍵、シャバダバ、バカンス、誰が、、、など」
- 強烈なアクセント。フレーズを目立たせたいときに使える。
- 荒々しくパワフルな音。ハードな歌詞、ロック系との相性が良い。
- 爽やかさや、静けさとは無縁=悲しいバラードには不向き。
②鼻濁音(ガ行)
例:「がんばって、Go、銀河、ご機嫌、根源、ギャング、絵具、、、など」
- 「少し鼻にかかったような摩擦音」がするのが特徴。
- 後に「促音:ッ」が入ったようにも聞こえ、引っ掛かる感じが他の濁音よりも強い。
- 多用すると物凄くくどく聞こえる。
③破裂音(カ・タ・ガ・ダ・バ・パ行+促音「ッ」)
例:「結束、結構、徹底的、学校、だって、、、など」
- 強い引っ掛かりがあり、インパクトのある音。
- 破裂したような勢いのある音。
④半濁音(パ行)
例:「パーティー、完璧、ペン、パソコン、ピンク、ピンチ、プリン、、、など」
- 明るく、はじけるような楽しい響き。
- 破裂音に分類する。
⑤撥音(ン)
例:「だんだん、ガンガン、ランプ、キング、遊んだ、缶コーヒー、剣、、、など」
- 少しはねたように響き。
- 鼻音でもあり、引っ掛かりのある音。
【その他、作詞で気をつけたい言葉の響き】
■(ナ、マ、ヤ行)
例:「名前、またね、夕焼け、やっと、見えない、メリークリスマス、、、など」
- まったりとやわらかく、和むような響き。
- インパクトには欠ける。
■(サ・ハ行)
例:「ささくれ、さりげなく、潮風、色彩、晴れ、ホタル、ふいに、、、など」
- 力が抜けた軽さのある響き。
- 爽やかで耳障りがよい。
- インパクトには欠けるが、かわりに疾走感がある。
■拗音(キャ、キュ、キョ、シャ、シュ、ショ)
例:「キャンプ、写真、今日、シュークリーム、、、など」
- 少し引っ掛かりのある音。
- 「シャ・シュ・ショ」は、マイクが空気の音を拾うので特にノイズになりやすく、多用するとレコーディングの際に嫌われやすい。
もちろん一字一句、神経を減らしながら決める必要はなくて、「だいたいこんな感じ」と頭の片隅にでも意識していればOK。
☆主に言葉の響きを気をつけるポイントは主に以下の5点。
- 歌いだしの語頭
- サビ直前の語尾
- サビの語頭と語尾
- 韻を踏む語句
- 決めフレーズ(曲のフック=引っ掛かりになるメロディ)
あとは、曲調や歌詞の内容のイメージに合わせて使うとよいと思います。
例えば、パワフルな感じにしたいのなら、文頭や語尾にア段の音の語句を多く使い、濁音の含まれる語句で韻を踏む。など。
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