転調の種類と目的【作曲講座】
こんにちは! 今回は曲作りにおいて外せない要素のひとつである「転調」について解説していきます。
楽曲のレベルを上げて、聴いてて楽しい曲を作るためには転調のやり方を知っておく必要があります。
それではいってみましょう。
【転調の目的】
まずは転調をする目的を決めましょう。闇雲にやるより、目的を持った方が得られる効果は大きくなります。
1、リスナーを退屈させないようにするため
調を変える=使う音を変えるということ。つまり、ある7個の音の集まりから、別の音の集まりへと移行することが転調である。
ずっと同じリズム、同じ音、同じ展開では聴き手(リスナー)が飽きてしまう。
「飽きられる=人気が出ない=売れない=生活ができない。」と考えた昔の職業音楽家は、曲に、新たな音を(調性を)たすことによって、新鮮さを与えようとした。
実際、脳科学的にも、「脳は突然の変化」に注目するようにできている。
2、明るさの濃淡をつけるため。
上の調(もしくは下の調)に移行することよって、使われている音のグループが前の調より高く(もしくは低く)なり、明るくなった(もしくは暗くなった)と感じさせることができる。
3、楽曲を盛り上げるため。
サビのリフレインで(クライマックスで)使っている音全体が半音(もしくは全音)高くなっている調を使い、音楽の気分を高揚させる。という手法はよく使われている。
これも脳科学的に証明されている。
- テンポが速く、ピッチ(音高)が上がっていく⇒気分も高揚してくる。
- テンポがゆったりで、ピッチが下がっていく⇒気分が落ち着いていく。
転調の種類
たいていの場合、「隣接する調」、つまり「ひとつだけ音が違う調」に移行するのが一般的。
1、同主調への転調
最も気分の変化が大きく、転調の効果が大きい方法。
- 長調⇒短調・・・より複雑で、情緒的な悲しい気分の音楽になる。
- 短調⇒長調・・・決然として自信にあふれた響きになる。
(同主調⇒主音が同じ音 例C⇒Cm Em⇒Eなど)
2、平行調への転調
同主調ほどではないが、長調から短調へ(もしくは短調から長調へ)行くことによって、似たような効果が得られる。
例、C⇒Am G⇒Emなど
3、属調への転調
現在の調から、ひとつだけ音の違う調へと変わるもの。ひとつ以外みな同じ音なので、違和感がなく、最もよく使われる転調パターン。
例、ハ長調 C D E F G A B
↓ ↓ ↓
ト長調 G A B C D E F#
つまり、Fが⇒F#になった。
一つの音のピッチが上がったことによって、必ず音楽の持つ気分も高揚する。
4、下属調への転調
こちらは、一つの音のピッチが下がるパターン。こちらもよく使われる。
例、ハ長調 C D F G A B
↓ ↓ ↓
へ長調 F G A B♭ C D
◎この場合、音楽の感情の強さが一段階下がったような印象になる。
Bメロなんかで使うといいかも。
5、半音(全音)転調
使っている音全てを半音(もしくは全音)高くするパターン。全ての音が上がっているわけだから、必ず音楽の気分も明るくなっていく。
例、ロ長調 B C# D# E F# G# A#
↓ ↓ ↓
ハ長調 C D E F G A B
6、短3度(半音3個分)の転調
メジャースケール⇒ナチュラルマイナースケールといった感じだろうか。これも無理なく転調でき、つながりが美しいためよく使われるパターン。
例、ハ長調 C D E F G A B
変ホ長調 E♭ F G A♭ B♭ C D
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