ジャムセッションがよく行われる音楽ジャンルとセッション定番曲【音楽解説】
今回は、ジャムセッションがよく行われる音楽ジャンルと定番曲を紹介していきます。
ジャムセッションとは、ミュージシャンたちが集まり、特定の楽譜や事前の準備にとらわれずに即興的に演奏を行うスタイルのことです。特にジャズの文脈で発展し、演奏者が自由にアイディアを出し合いながら楽しむことを目的としています。
音楽セッションの種類とセッションをする際のポイントについては前回の記事をぜひご覧ください。
ジャムセッションの特徴、ジャムセッションとは?
- 即興演奏:演奏者は事前に決められた曲やアレンジに依存せず、その場の雰囲気や他の演奏者のプレイに応じて即興で演奏します。
- 参加者の多様性:ジャムセッションにはプロからアマチュアまで、さまざまなレベルのミュージシャンが参加します。年齢層も広く、小学生から社会人、プロのミュージシャンまでが集まります。
- 場所:主にライブハウスや音楽バーで行われることが多く、定期的に開催されるイベントもあります。
- ルールとマナー:セッションには参加者間で共有されるルールやマナーが存在し、それによってスムーズな演奏が可能になります。例えば、どの曲を演奏するかやソロ回しの順番などが決められることがあります。
歴史的背景
ジャムセッションは1940年代のジャズクラブ「ミントンズ・プレイハウス」で始まったとされ、仕事を終えたミュージシャンたちが集まって自由に演奏を楽しむ場として発展しました。このスタイルは後にビバップなど新しい音楽スタイルの発展にも寄与しました。
ジャムセッションは音楽を楽しむための重要な文化的活動であり、参加者同士のコミュニケーションや創造性を促進する場でもあります。
ジャムセッションがよく行われる音楽ジャンル
ジャムセッションは様々な音楽ジャンルで行われますが、特に以下のジャンルで盛んです。
これらのジャンル以外でも、参加者の興味や技量に応じて様々なジャンルでジャムセッションが行われることがあります。ジャムセッションの本質は、異なるミュージシャンが集まって即興的に演奏を楽しむことなので、基本的にはどのジャンルでも可能です。
ジャンルごとのセッション定番曲と演奏ポイント
それでは、各音楽ジャンルごとに、ジャムセッションでよく演奏される定番曲を紹介していきます。
音楽交流を広げたいなら、とりあえずこの記事で今から紹介する曲はすべて演奏できるようになっておくとよいかもしれませんね。それでは。
ジャズのセッション定番曲
ジャズセッションの定番曲とそれぞれの演奏ポイントをいくつか紹介します。
1. Autumn Leaves (枯葉)
- コード進行に注目し、IIm7-V7-Iの動きを意識して演奏する
- メロディラインを装飾したり、リハーモナイズを試みる
- テンポやリズムパターンを変えて演奏するのも面白い
2. All The Things You Are
- 複雑なコード進行を正確に把握する
- サイクル・オブ・フィフスの動きを意識して即興演奏する
- ブリッジ部分の転調に注意を払う
3. Blue Bossa
- ボサノバのリズムパターンをしっかり刻む
- マイナーキーでの即興演奏を練習する
- テンションノートを効果的に使ってソロを作る
4. Take The A Train
- スイングフィールを大切にする
- IIm7-V7-Iの動きを意識してソロを組み立てる
- 有名なリフやフレーズを引用するのも効果的
5. Fly Me To The Moon
- 4/4拍子と3/4拍子の両方で演奏できるようにする
- メロディラインの装飾やリハーモナイゼーションを試みる
- テンポを変えて演奏し、様々なアレンジを楽しむ
これらの曲は多くのジャズセッションで演奏される定番曲です。コード進行やメロディを十分に理解し、様々なアレンジやアプローチを試みることで、セッションをより楽しむことができます。
ブルースのセッション定番曲
ブルースセッションの定番曲とその演奏ポイントをいくつか紹介します。
1. Sweet Home Chicago
- 12小節ブルースの基本形
- リフが特徴的なので、しっかり覚えておく
- テンポは中〜速めが多い
2. Hoochie Coochie Man
- イントロのリフが重要
- コーラスの掛け合いを意識する
- シャッフルリズムに乗せて演奏
3. The Thrill Is Gone
- マイナーブルースの代表曲
- メロディックなソロを心がける
- ゆったりとしたテンポ感を大切に
4. Born Under A Bad Sign
5. Crossroads
- テンポの速い12小節ブルース
- エリック・クラプトンのバージョンが有名
- 激しいソロを意識しつつ、リズムもしっかり刻む
演奏ポイント全般
- 基本的な12小節ブルース進行をマスターする
- リズム感を大切にし、グルーヴに乗る
- 他の演奏者とアイコンタクトを取り、コミュニケーションを図る
- ボーカルがある場合は、サポートに徹する場面もある
- 簡単なリフやフレーズを覚えておき、即興で使えるようにする
これらの曲を中心に練習し、セッションに参加することで、ブルースの基本を押さえつつ楽しむことができるでしょう。
ファンクのセッション定番曲
ファンクのセッション定番曲とその演奏ポイントをいくつか紹介します。
1. Cissy Strut – The Meters
- リズムギターのカッティングが重要
- タイトなリズムセクションを意識する
- シンプルなリフを繰り返すことがポイント
2. Chameleon – Herbie Hancock
- ベースラインが特徴的なので、しっかり押さえる
- キーボードのコンピングに注目
- ソロではモーダルスケールを活用
3. Superstition – Stevie Wonder
- クラビネットのリフが印象的なので、ギターやキーボードで再現
- シンコペーションを効かせたリズムが重要
- ホーンセクションのパートを意識する
4. Get Up (I Feel Like Being a) Sex Machine – James Brown
- タイトなリズムギターが曲の要
- 「Get up!」などのコール&レスポンスを楽しむ
- ワンコード進行でグルーヴを維持する
5. Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) – Sly & The Family Stone
- スラップベースのテクニックを活用
- シンコペーションを効かせたリズムパターンを意識
- ボーカルとのインタープレイを楽しむ
演奏ポイント全般
- タイトなリズムを保つことが最重要
- シンコペーションを効果的に使う
- ミニマルなフレーズの繰り返しでグルーヴを作る
- ベースとドラムの連携を重視する
- ホーンセクションのパートを他の楽器で代用する工夫をする
これらの曲を中心に練習し、ファンクの基本的なグルーヴやリズムパターンを身につけることで、ファンクセッションを楽しむことができるでしょう。
ロックのセッション定番曲
ロックのジャムセッションについて、主な特徴と定番曲をいくつか紹介します。
ロックセッションの特徴
- 比較的シンプルなコード進行が多い
- リフやフレーズの繰り返しが重要
- グルーヴ感を大切にする
- ギターソロが重視される場合が多い
1. Sweet Home Alabama – Lynyrd Skynyrd
シンプルなコード進行と特徴的なリフが印象的
2. Smoke on the Water – Deep Purple
誰もが知る有名なギターリフ
3. Born to Be Wild – Steppenwolf
パワフルなロックナンバー
4. Roadhouse Blues – The Doors
ブルースロックの定番曲
5. Johnny B. Goode – Chuck Berry
ロックンロールの古典
演奏のポイント
- リフやコード進行を正確に把握する
- グルーヴ感を大切にし、リズムセクションとの一体感を意識する
- ギターソロでは、曲の雰囲気に合わせたフレーズ選びが重要
- ボーカルがある場合は、歌詞やメロディラインを覚えておく
ロックのセッションでは、これらの定番曲を中心に、参加者の好みや技量に応じて曲目が選ばれることが多いです。基本的なコード進行やリフを押さえておけば、初心者でも参加しやすいのがロックセッションの特徴です。
アニソンのセッション定番曲
アニソン(アニメソング)のセッションについて、定番曲と演奏ポイントをいくつか紹介します。
1. 残酷な天使のテーゼ(新世紀エヴァンゲリオン)
- メロディが印象的で、サビの部分が特に盛り上がります。
- ボーカルのパートをしっかりと歌い上げることが重要。
2. 君の名は。(前前前世)
- アップテンポでエネルギッシュな曲。
- ギターリフが特徴的なので、リフをしっかりと再現する。
3. ライオン(マクロスF)
- メロディの起伏が大きく、感情を込めて演奏することが求められます。
- ボーカルのハーモニーも重要なので、他のパートとの連携を意識。
4. only my railgun(とある科学の超電磁砲)
- スピード感があり、リズムに乗ることが大切。
- ギターやキーボードでのアレンジが楽しめます。
5. シルエット(NARUTO)
- サビの部分がキャッチーで、聴衆を巻き込む演奏が求められます。
- バンド全体での一体感を大切にする。
演奏のポイント
- メロディとリズム感: アニソンはメロディがキャッチーなものが多いので、しっかりとしたリズム感を持って演奏することが重要です。
- ボーカルの表現力: ボーカルパートが多いアニソンでは、感情を込めた歌唱が求められます。特にサビの部分は聴衆を引き込む重要なポイントです。
- アレンジの工夫: アニソンは多様な楽器編成で演奏されるため、ギターやキーボード、ドラムなどのアレンジを工夫することで、オリジナルとは違った味わいを出すことができます。
- ハーモニーとコーラス: 複数のパートが絡む曲が多いため、ハーモニーやコーラスの練習も重要です。他のメンバーとの連携を意識しましょう。
アニソンセッションは、参加者が楽しむことを重視し、自由なアプローチができるのが魅力です。これらの曲を練習し、セッションに参加することで、アニソンの楽しさをより深く味わうことができるでしょう。
《関連記事》
《参考記事》
- https://www.noahmusic.jp/headline/session/3503.html
- https://www.youtube.com/watch?v=hRmv4iahceI
- https://kanda-it-school-kensyu.com/php-basic-contents/pb_ch11/pb_1103/
- https://www.arban-mag.com/article/77112
- https://n-works.link/blog/seo/session
- https://www.noahmusic.jp/headline/session/3504.html
- https://nao31d-bsst.com/whatis-jam
- https://www.youtube.com/watch?v=Dc9Ex0jCV5M
- https://www.arban-mag.com/article/75521
- https://www.arban-mag.com/article/77112
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