メロディーの型【作曲講座④】
さーて、こんにちは!
H-Kuです。
今回は作曲をする上で、最も難しく作曲家の頭を悩ませ、また最も情緒的ともいえる音楽の「核」、メロディについて書いていこうと思います。
「メロディは感性、音楽センス次第って言うし、とりあえず理論とか考えずに鼻歌で自由に作ってみたけど、なんか変…」と言う方は是非一度お試しください(笑)
「守破離」は芸術センスを磨く上でも上達の近道になるのでは? と思います。
さて、それではいってみよう!
【音程の進み方】
音程の動き方は主に3つ。
1:『順次進行』
- 音程が半音もしくは全音で、上または下に音が移動する動きのこと。
- 滑らかで静的な印象。
- 微妙な感情の変化を表現できる。
2:『跳躍進行』
- 音程が3度以上で上もしくは下に音が移動する動きのこと。
- 活発で動的な印象。
- 感情の急激な変化などの情緒的な表現や、場面の躍動感を表現できる。
3:『同音進行』
- 音程が変わらず、同じ音程が続く音の動きのこと。
- ノリやリズムがつけやすく、また、印象にも残りやすい。
- 静的ではあるが活発さや軽快さも表現できる。幅広く使いやすい。
【メロディの型】
《復唱型》
- 同じ形のフレーズ(音程の変わり方とリズムの形が同じ)を、音程を変えて(フレーズ内での音程の差は変わらない)何度も繰り返すこと。作曲のメロディの基本テクニックともいえるほど、よく使われている型。
- とても印象に残りやすく覚えやすい。
- リフやコール&レスポンスなど、幅広くアレンジのテクニックにも使われている。
《刺繡音型》
- 読んで字のごとく、布を糸で上下に縫うような音の進み方をする刺繍音(順次進行で、音を上下に一つの音を起点に行ったり来たりさせる音の動き)を使ったメロディーの型。
- 規則的な音の動きにより「リズム」を強調させることができる。
- 直前に、長めの音価(つまり伸びる)フレーズを入れたり、不規則的な動きのメロディーを入れたりすると、より印象的にできる(刺繍音は規則的な動き方をするので、つまり不規則なメロディとの対比になる)。
※使いすぎは曲が単調になってしまう原因になるので、曲のパートを「静」と「動」に分けた際の、「動」の部分に使うようにする(目的はリズムの強調であるため)。
《跳躍型》
- フレーズの中の特定の一音だけを4度〜5度で跳躍させる音の動き。
- 跳躍した直後は順次進行で動き、情動のバランスを保つことが大切。そうすることによって跳躍部分の印象がより残りやすくなる。
- 緊張感を高める効果があり、感情を一気に吐き出すフレーズでよく使われている。
- 跳躍させる部分は強拍(リズムのアクセントが付くところ)に合わせる。リズムのアクセントとと合わさることにより、跳躍に力強さを与えることができる。
☆「低い音域の中から、いきなり高音が出てくる」というところがポイント。
明るいところで明かりを付けてもあまり意味がない。暗闇の中で、突然光が射すから印象に残るのである。
《跳躍・長音煽情型》
- 上の音に跳躍した後、長音(ロングトーン)で感情的に伸ばすメロディの型。
- 壮大なバラードなど、歌い上げる系のサビで昔から非常に多くの曲で多用されている。それほどまでに人間の感情のツボを押さえている型ともいえる。
《高音連打型》
- 一つの高い音を、短い音価(8分音符以下)で連続して鳴らすメロディの型。
- 「繰り返し」+「高音」によって、よりリスナーの耳に残りやすい印象になる。
☆さらに、同じフレーズを続けて繰り返すことにより、より印象に残りやすいフレーズにできる。
※ただし、単調すぎるため以下の2点に注意すること。
・使う場所を制限する(サビの前半のフレーズだけ、など)。
・導入部にメロディックなフレーズをいれて、単調さをカバーする。
《呼応・休符型》
- 短いフレーズと、そのフレーズと同程度の長さの休符を交互に繰り返すメロディの型。
- 間に他の楽器を入れやすく、アレンジしやすいのが最大の特徴。
- その後の展開への期待感を持たせやすく、曲の導入部分で使うのがおすすめ。
- 前後に長めの休符がある事で、より情感込めて歌い上げることができる。ブラックミュージックのバラードでもよく使われている。コール&レスポンスとの相性ばっちり。
《多音微動型》
- 細かいリズムが続くが、音程の変化が少ないメロディの型。
- いわゆるラップなど、言葉をのせて韻を踏むのに適している。
- 歯切れのよいノリは出せるが、盛り上がりが少ない印象。
- 音程を少しづつ変えて繰り返すことにより、徐々に盛り上げていく感じを演出できる。
《無分節型》
- 繰り返しや規則性がなく、自由に歌うようなメロディのこと。明確な「型」というものではない。
- 情緒的で感情的、ブルースやロックなどのソロなどでよく見かける。
- 規則的なフレーズのみの曲よりも、情動的な印象になり、人間味のある曲に演出できる。
【まとめ】
- 「静的」な動きと「動的」な動きを意識し、メリハリを付けよう!
- 繰り返し=覚えやすいということ。ただし変化がなければつまらない。
- 「意味ある場所で使うからこそ価値がある」どんなに優れたテクニックでも多用は厳禁。
- 「歌われ続ける秘訣は情動にあり」跳躍とロングトーンは感情の高まりを表現することができる。
- 感情の動きと歌のノリをどう表現したいか? メロディ作りは結局そこにつきる。
さて、いかがだったでしょうか。
少しでもメロディ作りの参考になれたら幸いでございます(*´ω`)
それでは!
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