ポップメタルの特徴と歴史【音楽ジャンル辞典105】
今回は、ポップメタルについての音楽的特徴や歴史をわかりやすく解説します。
ポップメタルは、主にエレキギター、エレキベース、ドラム、ボーカルを中心に構成される音楽ジャンルです。
エレキギターはディストーションをかけたリフやソロが特徴で、エレキベースはリズムセクションを支えます。
ドラムはテンポを保ちながらダイナミックなビートを提供し、ボーカルはキャッチーなメロディラインを歌い上げます。
また、シンセサイザーやキーボードが加わることもあり、曲に華やかさや深みを与えます。
このように、ポップメタルは多様な楽器を駆使して、親しみやすさとエネルギーを兼ね備えたサウンドを生み出しています。
関連記事:ストナーメタルの特徴と歴史【音楽ジャンル辞典104】
ポップメタルの音楽的特徴
ポップメタルは、ポップミュージックとヘヴィメタルの要素を融合させた音楽ジャンルであり、以下のような音楽の特徴があります。
ポップメタルは、そのキャッチーさとエネルギーから多くのリスナーにサポートされており、ジャンルとしても進化を続けています。
楽曲アレンジに取り入れるコツ
ポップメタルの要素を楽曲アレンジに取り入れる際のポイントは、以下のように整理できます。
1. キャッチ―なメロディ
ポップメタルでは、聴き手に心に残るキャッチーなメロディが重要です。サビやフック部分では、シンプルで覚えやすいメロディラインを作成し、リスナーが歌いたくなるような構成を覚悟しましょう。
2. 工夫されたギターリフ
ヘヴィなギターリフはポップメタルの特徴です。 リフはシンプルにつつみ、リズムやダイナミクスを変化させることで、曲全体にエネルギーを与えます。 また、クリーンなギターとディストーションを活用することで、音色にバリエーションを持たせることができます。
3. ドラムパターンの多様性
ドラムは曲のテンポとノリを決める重要な要素です。4つ打ちや複雑なフィルインを組み合わせて、リズムに変化を持たせましょう。また、キックとスネアのアクセントを意識しますし、全体のグルーヴ感を強化します。
4. コーラスやハーモニーの活用
ボーカルパートにはコーラスやハーモニーを書くことで、楽曲に広がりを持たせます。 特にサビ部分では、多重録音やユニゾンでインパクトを出すことが効果的です。
5. ストリングスやシンセサイザーの追加
ストリングスやシンセサイザーは、楽曲にいくつかさやエモーショナルな要素を設定するために使用します。
6. 構成の工夫
楽曲構成は伝統的なポップソングの形式(Aメロ、Bメロ、サビ)を参考にしつつ、メタル特有のブレイクダウンやギターソロなども取り入れて、変化を持たせることが重要です。これによって聴きやすい興味を引き続けることができます。
これらのポイントを意識することで、ポップメタルアレンジ特有の魅力的な楽曲を作ることができます。
ポップメタルでよく使われている楽器
ポップメタルでよく使用される楽器には、以下のようなものがあります。
ポップメタルはこれらの楽器を使用して、キャッチーでエネルギッシュなサウンドを表現しています。
ポップメタルの歴史
ポップメタルの歴史は、ヘヴィメタルの進化と密接に関連しており、特に1980年代におけるメロディックなスタイルの発展によって特徴づけられます。
ポップメタルの起源は、1970年代のヘヴィメタルやハードロックにもあります。 特に、ブラック・サバスやディープ・パープル、レッド・ツェッペリンといったバンドが、より激しいサウンドを確立し、ヘヴィメタルの基礎を展望しました。この時期、ハードロックはその後のポップメタルのメロディックな要素を孕んでいました。
1980年代初頭には、「ニュー・ウェイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル(NWOBHM)」が登場し、アイアン・メイデンやデフ・レパードなどが活躍しました。このムーブメントは、ヘヴィメタルがジャンルとして定着しましたるきっかけになりました。
同時期に、LAメタルと呼ばれるスタイルが流行し、モトリー・クルーやボン・ジョヴィなどが登場しました。 これらのバンドは、アメリカ、キャッチーなメロディーと華やかなビジュアルを特徴としており、ポップメタルのスタイルを確立妥協することになりました。
この時期に特に注目されたのが「ヘアメタル」と呼ばれるスタイルであり、派手な髪型や衣装とともに、ポップでキャッチーな楽曲が特徴です。 ポップメタルはこのヘアメタルから直接的な影響を受けており、多くのバンドが商業的成功を収めました。
1990年代以降
1990年代にはグランジやオルタナティブロックの台頭により、ポップメタルは一時的に衰退しました。 しかし、その後も多くのバンドがポップメタルのスタイルを継承し、新たな世代のファンを獲得しています。日本では、ポップメタルやその派生ジャンルが根強い人気を誇り続けています。
現在でもポップメタルは新しいアーティストによって進化し続けており、その影響は広範囲に及んでいます。新世代のバンドは、従来のポップメタル要素を取り入れつつも、新しい音楽的な要素を加えた作品を発表しています。
このように、ポップメタルはヘヴィメタルの流れを汲みながらも、その独自性を持ち続けているジャンルです。
ポップメタルで有名なアーティスト
ポップメタルで有名なアーティストには、以下のようなバンドやソロアーティストがいます。
これらのアーティストは、それぞれ独自のスタイルでポップメタルを表現しており、ジャンルの多様性と魅力を広げています。
ポップメタルの名曲
ポップメタルの名曲には、以下のような楽曲があります。
- 「I Want Out」 – Helloweenこの曲は、キャッチーなメロディとインパクトのあるツインギターのフレーズが特徴で、ポップメタルを代表する楽曲とされています。
- “Carry On” – AngraブラジルのバンドAngraによるこの曲は、圧倒的なハイトーンボーカルとドラマティックな展開が魅力で、メタルの歴史に残る名曲です。
- “Crazy Doctor” – Loudness日本のバンドLoudnessによるこの楽曲は、エネルギッシュナリフとキャッチーなサビが特徴で、ポップメタルの要素を色濃く反映しています。
- “Blinded by Fear” – At the Gatesこの曲は、メロディックデスメタルにポップな要素を取り入れた作品で、かなりのインパクトを持っています。
これらの楽曲は、それぞれ独自のスタイルでポップメタルの魅力を表現しており、多くのファンに愛されています。
ポップメタルからの派生ジャンル
ポップメタルから派生したジャンルには、以下のようなものがあります。
Kawaii Metalは、日本のアイドル音楽とヘヴィメタルを融合させたスタイルで、特にBABYMETALが代表的な存在です。このジャンルは、情熱的なビジュアルと激しいメタルサウンドを組み合わせており、全国で人気を博していますKawaii Metalのアーティストは、頻繁にアイドル的な要素を取り入れたパフォーマンスを行います。
Metalcoreは、ヘヴィメタルとハードコアパンクの要素を融合させたジャンルで、ポップメタルのメロディックな側面が影響を与えています。キャッチーなサビと激しいギターリフが特徴で、多くのバンドがこのスタイルを採用しあります。
パワーメタルは、メロディックで語る情要素が強いヘヴィメタルの一種で、ポップメタルの影響を受けたバンドも存在します。 特にサビ部分が非常にキャッチーで、オーケストレーションやシンセサイザーを置くことが多いですです。
Nu Metalは、ヘヴィメタルにヒップホップやファンクなどの要素を取り入れたジャンルで、ポップメタルの難しさやメロディックな要素が影響しています。バンドによっては、ポップなメロディと重厚なサウンドを楽しむスタイルが見られます。
これらの派生ジャンルは、それぞれ独自の特徴を持ちながらも、ポップメタルからの影響を受けて進化してきました。
《関連記事》
《参考記事》
- https://dtm.wbrain.net/arrange_pops/instrument1.html
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%AB
- https://metalgasuki.com/metalkoza-20200531
- https://note.com/go_metal/n/n37b5abdcc35a
- https://kensukeinage.com/guitar_heaveymetal/
- https://note.com/coretube666/n/n63d2cc323de5
- https://abc-musicschool.com/dtm_blog/?p=3386
コメント